水族館なのにネコがいる「鳥羽水族館」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2日目は飼育種類数日本一の「鳥羽水族館」へ。近鉄鳥羽駅からミキモト真珠島を左手に通り越して、約10分の場所にあります。 鳥羽水族館は、哺乳類16種、魚類605種、は虫類45種、両生類37種、鳥類11種、無脊椎動物474種など約1200種を飼育しているそう(2013年4月現在)で、日本で最も多くの種類の生きものを飼育しているのだとか。

館内は「海獣の王国」、「人魚の海」、「極地の海」、「伊勢志摩の海・日本の海」など、生きものの種類や棲息する環境に合わせて12のゾーンに分けられていて、来館者の興味・関心に応じ、自由にゾーンを行き来できます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 入場してすぐ目に飛び込んできたのは、大きな水槽に張り付くダイバー。水槽の掃除をしているようです。インパクトがありますね。

目にも鮮やかな人工サンゴ礁の海が広がる「コーラルリーフ・ダイビング」のコーナーでは、カラフルな熱帯魚やウミガメ、ナポレオンフィッシュなどが悠々と泳ぐ姿を見ることができ、まるでダイビング気分です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

 

 

 

さて、今年開館60周年を迎えた鳥羽水族館では、開館60周年記念事業の一つとして新しい仲間を迎えました。それが、このネコ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ガラスが反射して見えにくいですが、木に寝そべってリラックスしています。なぜ水族館にネコが?と、一見場違いのように思えますが、ただのネコではないようです。調べてみれば、インドやインドネシア・中国南部などの水辺に生息していて、泳ぎが得意とのこと。ふむふむ・・・。水が嫌いなネコにしては、やり手です。水かきのついた前足を使って器用に魚を捕まえることから、「フィッシングキャット」と呼ばれているそう。日本では、「漁(すなどり)猫」と名が付いていて、日本初展示だそうです。

この日はお腹がいっぱいなのかどうか、始終ピクリとも動きませんでした。次回行く機会があれば、野生の本能そのままに魚を捕っている勇ましい姿を見たいものです。

水族館にはラッコやイルカなどのおなじみの動物たちの他に、人魚伝説のモデルとなったジュゴンや小型の鯨、スナメリなど貴重な動物も間近に見ることができます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

 

 

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

 

 

 

その他にもまだまだたくさんの動物たちが・・・。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アシカやセイウチなどのショーも開催されていて、「セイウチパフォーマンス笑(ショー)」では、関西弁を繰り出すトレーナとセイウチのコミカルな掛け合いに、観客席からは笑いが起きていました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

また水族館では、動物たちの食事シーンも見ることもできます。こちらはトドの食事シーン。写真ではよく分かりませんが、実はこれ結構な高さのある岩山を登って、飼育員のお姉さんから魚をもらっています。

最初はお姉さんの手元近くから魚をもらっているのですが、最後の方になると、お姉さんが水槽に魚を投げ込みます。それをキャッチしようとして、トドは大きな巨体を投げ出し、魚目がけて水槽に思い切り良くダイブ。

オスで1トンにもなるトドの迫力ある飛び込みシーンを見ることができます。 様々な海の動物がいる、鳥羽水族館。これからの季節、涼を求めて行くのも良いですね。

 

 

 

 

 

日頃の感謝を伝えに伊勢神宮へ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

旅の締めくくりは、伊勢神宮へのおかげ参りです。「お伊勢さん」と親しみを込めて呼ばれている伊勢神宮は正式の名を「神宮」と言い、皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)を中心に、大小125の宮社からなっています。平安時代から多くの人々を引き付け、江戸時代には「一生に一度はお伊勢参り」と一大ブームを起すなど、今でも年間約800万人の参拝があります。

参拝の順路は、まず外宮からというのが古代からのならわしということで、先に伊勢市駅から歩いて徒歩10分の距離にある外宮に行きます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

外宮にはお米をはじめ衣食住の恵みを与えてくれる産業の守護神、豊受大御神(とようけのおおみかみ)がお祀りされています。参道脇には樹齢が百年にもなる大きなスギの木がそびえ立っていて、その木々の中を参拝者たちは進んで行きます。ちなみに参道の中央は、神様の通る道とされているそうで、中央を歩くのは基本的にタブー。外宮の参道は、左側通行となっています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

「正宮」に行く途中、「土宮」、「多賀宮」、「風宮」を参拝。社殿はどれも真新しくきれいです。それもそのはず、2年前の平成25年(2013年)に式年遷宮を終えたばかりで、まだ新しい社殿を見ることができます。この式年遷宮というのは、20年に一度社殿を新しく建て替え、御装束・神宝も造り替えて神さまに新しい宮にお遷りいただくという、神宮でもっとも重要な祭で今から約千三百年前、天武天皇の御発意によりはじまりまったそうです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

「正宮」は外宮の奥にあります。外宮でも内宮でも「正宮」は日頃のご加護に対する感謝を神様に伝える場所と言われているそうで、一般の作法にならい二拝二拍手一拝を行い、日頃の感謝を伝え外宮を後にしました。

さて、次に向かうのは内宮ですが、外宮から離れているのでバスで向かいます。その前に、ここで小休止。伊勢神宮の甘味処と言えば、赤福です。ここでは番茶がセットになった赤福餅を食べました。赤福餅をつくる赤福は、今からおよそ300年前の宝永四年(1707年)に誕生したそう。その11年後には徳川八代将軍の吉宗が「享保の改革」を行っていて、このことからも分かるように、赤福の歴史がいかに古いかが分かりますよね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

柔らかいお餅の上にこし餡をのせた赤福餅ですが、伊勢神宮神域を流れる五十鈴川のせせらぎを形とっていて、餡につけた特長的な3つの筋は清流を、白いお餅は川底の小石を表しているそうです。

汗ばむ陽気だったこの日、多くの参拝者たちは夏季限定「赤福氷」を食べ、クルールダウンしていました。ちなみに赤福氷の味はと言えば、抹茶蜜のかかった氷の中に餡と餅が入っていて、とても甘い。甘党の人はぜひ、お試しあれ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA さて、外宮からバスに揺られること20分。内宮に到着です。内宮は皇室の御祖先の神である天照大御神がお祀りされていて、この宇治橋を通って行きます。参拝者の数が外宮と比べて、圧倒的に違います。

p11

広大な敷地内を進んでいくと、参道の右手に五十鈴川岸の御手洗場があります。そこで、神聖な川として知られる五十鈴川の水に手を清め、穢れを落としてから参宮します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

外宮でもそうですが、内宮にも大きなスギの木があちこちにそびえ立っています。この伊勢神宮の敷地にある大きなスギの木は、「神宮スギ」と呼ばれているそうで、県木と定められているのだとか。なんだかご利益がありそうです。このスギの木のパワーをもらおうと木に触ったり、抱きついたりする参拝者の姿をよく見ました。

いよいよ「正宮」に参拝します。正宮は天照大御神の和魂(御魂の穏やかな姿)が祀られています。石段の下までしか撮影が許可されておらず、鳥居の内側は撮影できません。他の宮とは違う厳かな雰囲気の中、日頃の感謝の気持ちを神様に伝えました。

ちなみに伊勢神宮には、よく神社などで見かける賽銭箱がありません。これは「私幣禁断」と言って、長らく天皇陛下以外のお供えは許されなかったそうで、そのため今でも賽銭箱がないのだそうです。

 

 

 

内宮を参拝した後は、隣接する「おかげ横丁」へ。江戸から明治にかけての伊勢路の代表的な建築物が移築、再現されたおかげ横丁では、三重の食文化や歴史、風習までが体感できます。通りには飲食店や物販店、美術館や資料館など55の店舗が立ち並び、賑やかな様相を見せています。

おかげ横丁では、伊勢グルメを代表する「伊勢うどん」を堪能。見た目は、いたってシンプルなこの伊勢うどん。柔らかそうな太いうどんの上に薬味のネギがトッピングされていて、少量の黒い汁がかかっています。この黒い汁に、うどんを絡めながら食べます。その見た目から塩辛いのかと思っていましたが、これが予想外。食べてみると塩っ辛さはなく、甘くて濃厚です。汁は他の醤油より旨み成分が多いたまり醤油に鰹節やいりこ、昆布などの出汁を加えてつくるそうで、普段よく食べるうどんとは、また違った美味しさです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

歴史も古いようで、江戸時代以前から農民が食べていた地味噌の上澄みである、たまり(たまり醤油)を少しかけて食べていたうどんに出汁を加え、食べやすくアレンジしたうどんを参拝者へふるまうため、一軒のうどん屋がはじめたのが伊勢うどんの最初と言われているそうです。

さて、江戸時代の参拝者と同じように伊勢うどんでお腹を満たしたあと、早速話しのネタに伊勢うどんを購入。伊勢志摩特産のあおさもお土産に購入し、帰途に着きます。可愛らしい動物たちに癒され、美しい自然と文化を体験することのできた一泊二日の伊勢志摩旅行。今回は新緑がきれいな5月でしたが、紅葉が鮮やかな秋に訪れて、また違った景色を楽しむのも良いのかもしれません。